グリシンとは
グリシンとはアミノ酸の一つで、甘味とうまみがあり、静菌作用があるため、食品添加物として加工品に含まれていることもあります。
アミノ酸には体内合成できる必須アミノ酸と、体内合成できない非必須アミノ酸がありますがグリシンは体内合成できる非必須アミノ酸です。
グリシンは体内合成できるので不足することはなく、食べ物からも摂取できます。
アミノ酸の一つであるセリンから体内合成でき、セリンは大豆製品やカツオ、エビやホタテなどの魚介類に多く含まれています。
エビやホタテを食べた時に感じる自然な甘みは、グリシンのうまみ成分によるものです。
またグリシンは他の物質の生合成に使われることもあります。
グリシンの効果
グリシンの一般的な効果として挙げられるのは、睡眠改善・抗うつ・美肌などです。
その中でもぐっすり眠れない、寝つきが悪いという睡眠障害を改善できるという効果から休息サプリとして人気があります。
グリシンはスムーズな入眠を促し、睡眠の質を向上させる効果があります。
またグリシンは肌の弾力を支えるコラーゲンを構成している成分なので、グリシンを摂取することで肌のキメを整え、ハリが出るなどの美肌効果も期待できます。
睡眠と美肌も深い関係があるので、女性にとってグリシンは嬉しい成分ですね。
では、どのようなメカニズムで、グリシンによって睡眠改善できるのか説明していきます。
睡眠改善をするメカニズムとは
人は眠りに入るとき、体の中心部の体温を下げる事でスムーズに入眠します。
人間は活動しているとき体温は高く、体温を下げることで眠気を起こします。
そのメカニズムをうまく利用することで、グリシンを使い睡眠改善できます。
グリシンは血管を広げる作用があり、血液量を増やす効果があります。
血液量が増えると体の表面温度が上がり、体温を外に放出することで体の中心部の体温を下げることができるため、眠りに入りやすくなります。
眠たくなると子供の手が温かくなるように、眠くなると人間の体は熱を放出しようとするため、表面温度が高くなります。
このメカニズムを利用して睡眠改善するのが、グリシンなのです。
グリシンの1日の上限摂取量はどの程度?
グリシンは食品添加物としても使用されていますが、食品添加物には安全性を確保するために、一日摂取許容量(ADI)というものが定められています。
ADIとは、一生その食品添加物を食べ続けても健康に害がないと認められた1日あたりの摂取量です。
グリシンに関しては安全性が高く、体内に蓄積されないので、特にADIは設定されていません。
人間で1日に必要なグリシンの摂取量は、3,000mg=3gとされています。
ラットを用いた実験によると、体重1kgに対してグリシン7,9gで急性中毒になり、これを体重50kgの人間に置き換えるとグリシン395gが危険水域となります。
バランスの良い食事をとっていれば、グリシンは1日に3gから5g摂っていることになります。
粉末のグリシンは、効果を実感するために、1日3gの摂取を推奨しています。
またグリシンを含んだ休息サプリメントの場合、1日3粒の摂取を推奨しており、その摂取量は300mgから600mgで設定しているものが多いです。
その含有量を見ても、グリシンの過剰摂取の危険性はありません。
上限摂取量を気にして含有量の少ないサプリを選んでいては、グリシン効果を実感できませんよね。
グリシンの効果を実感するためには、配合量の多いサプリメントを選ぶ必要があります。
過剰摂取をしてしまうとどうなるの?
グリシンは体内で合成できるので、過剰摂取には気をつけたいですよね。
グリシンはアミノ酸の一種ですが、アミノ酸を過剰摂取すると下痢や胃などの不調につながる危険性があります。
不眠解消の目的でグリシンを摂取する場合は、3gが指標とされています。
休息サプリの中にグリシンが含まれていることが多いですが、サプリでグリシンを摂取する場合は決められた量を守る事が大切です。
グリシンはいつ飲むのがベスト?
体が眠る準備をはじめているときにグリシンを飲むのがベストなので、夕方以降に飲むのが効果的です。
人間の体は夕方以降から徐々に眠る準備に入るため、その過程でグリシンを飲むと睡眠の質を上げることができます。
寝る1時間前か2時間前くらいにグリシンを摂取すると、スムーズに寝やすくなります。
空腹時に飲んでも問題はない?
空腹時はグリシンの吸収を高めることができるので、満腹時よりも空腹時に飲んだ方が効果的です。
グリシンとの飲み合わせの良し悪しはある?
グリシンは食品添加物としても使用されていることからも分かる通り、安全性が高い成分です。
しかし医薬品との飲み合わせには注意しなければいけません。
例えば、統合失調症の治療薬であるクロザピンとの飲み合わせです。
クロザピンは、グリシンと併用するとクロザピンの作用が弱る可能性が示唆されているので併用しない方がいいでしょう。
また様々な疾患を抱えて薬を服用している場合は、担当医師に相談してからグリシンを取り入れる必要があります。
アルコールと飲んでも問題ない?
グリシンは肝機能の働きをサポートするので、アルコールと飲んでも問題はありません。
睡眠薬をアルコールと飲むのはいけませんが、グリシンは薬ではないので安心です。
アルコール分解を促す効果もあり、体内合成されるアミノ酸なので副作用の心配もありません。
入眠しやすいようにお酒を飲むのが習慣という人も、グリシンのサプリメントであれば気軽に取り入れることができますね。
妊娠中・授乳中でも飲んでいい?
妊娠中や授乳中は体の変化などによっていろいろなストレスがかかり、不眠になる女性も多いです。
グリシンを摂取すれば、寝つきが良くなり、短時間でもぐっすりと疲れの取れる質の良い睡眠をとることができます。
しかし妊娠中・授乳中の女性は、グリシンの使用を控えた方がいいでしょう。
グリシンは体内合成できるアミノ酸なので、妊娠中や授乳中は食事から栄養を摂取するのが理想です。
授乳時期が終了すれば、グリシンを摂取できるので、それまではバランスの取れた食事から摂取しましょう。
ベストな摂取方法とは
グリシンは体が眠りに入る準備をしているタイミングで摂取すると効果を高めることができます。
そのため夕食を食べ終わってから、就寝するまでの間に飲むのがベストです。
就寝の1時間前から2時間前にグリシンを摂取することで入眠しやすくなり、深い眠りに入りやすくなります。
また毎日同じ時間、同じ量を摂取するということもベストな摂取方法です。
質の良い睡眠を習慣づけるためには、毎日同じようにグリシンを摂取して体のリズムを整えることが必要です。
まとめ
グリシンとはアミノ酸の一種で、体内合成される非必須アミノ酸です。
グリシンは体温を下げる作用があるため、寝つきがよくなり、深い睡眠に入れるといった睡眠の質の向上をサポートします。
睡眠改善できるサプリに配合されていることが多く、安全性の高い成分です。
グリシンは、体が寝る準備を始めるタイミングで摂取すると効果的です。
就寝する1時間から2時間前に飲んでおくと、スムーズに入眠できる手助けをしてくれます。
質の良い睡眠は体の疲れを取り除き、ストレスを軽減できるため、目覚めもスッキリと起きることができ一日を元気に過ごすことができます。
睡眠の質を改善し、元気な生活を送りたい人におすすめなのがグリシンです。